幽霊執事でございます
「そうだね……」
彼は教えてくれるだろうか?
そういえばおばあちゃんに聞こうとして結局聞いてなかったような気がする。
「でも、今回は教えない」
「え?」
「次に会う口実として取っておくよ」
人懐っこい笑みでシュンは笑う。
「お屋敷に、着いてしまったね」
いつの間にか屋敷まであと少しというところまで来ていた。
「ごめんね、ここで退散させてもらうよ」
「へ?」
「また明日ね」
そう言って彼は、屋敷が見えてすぐに来た道を戻って行った。
「……あ、また明日……」
そんな彼を呆然と見てから、あと少し残る屋敷への道を歩いた。