幽霊執事でございます


「で、学校どっち?」

「憑いたままでいないで出て行ってよ!」


しぶしぶ出て行ったナホ。

まったく、どこまでも変わらないんだから。


「ちぇー」

「『ちぇー』じゃない!!」


そしてあたしはいつも通り最近慣れてきたこの道を通う。


「おはよ、良音ちゃん!」


後ろから話しかけてきたのは、恋那ちゃんだった。

それと――


「あ、話すの初めてだね」


あの日、恋那ちゃんが連れ出した女の子。

つまり、喧嘩相手だった子。


「おはよう」


穏やかな笑みで話しかける少女。


「お、おはよう……」


び……美人さんであった……!!
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