幽霊執事でございます
美人さんはいきなり頭を深く下げた。
「……!?」
ワンテンポ遅れて、その美人の口からキレイな声が聞こえた。
「ありがとう」
……!?
美人さんにお礼を言われてしまった!!
「良音ちゃん、本当にありがとう。良音ちゃんがいなかったらずっと仲直り出来なかった。すれ違ったままだった」
そう言って、恋那もあたしに頭を下げた。
端からみたらおかしな図だ。
だって二人とも腰から90°きっちり曲げている。
今なら馬跳びが出来そう……。
じゃなくて!!
いつまでも美人さんに頭を下げさせてるわけにいかない!
「あ、あの、顔上げて?ね?」
そしてその顔をじっくりと拝ませ……いやいや、見せて。