幽霊執事でございます
「……聞いても多分大丈夫」
「え、何々?ライちゃんの話?」
「家の話だよ」
結局、おばあちゃんに聞けてないしね。
「ライちゃんの……家の話?」
「そう。この辺りでは宮園を知らない人は基本的にいない。それは宮園が代々引き継いできた信頼があるからだ」
信頼……か。
信頼されてたのか。
そうだったんだ……。
「それでそれで?」
ナホは興味深々らしい。
「波に乗り、一時期はとんでもない資産があった。その名残が本家の屋敷」
「え……あの屋敷、やっぱり……」
「メイドや執事もいたらしい。その頃は家族自体も随分人数がいたみたいだ」
――執事?
もしかして……葉山さん?
もともと家にいた執事さんだったの?