幽霊執事でございます
「ありがとう、シュンくん。少し分かっただけでも嬉しい」
「役に立ててよかったよ」
ナホも『宮園』が有名だった理由に納得してるみたい。
「ライちゃんてすごい所の家系だったんだねぇ」
「……どうやらそうみたい」
今度は詳しいことを葉山さんに聞いてみようと思った。
「さて、教室に戻ろうか」
「……あ、まってシュンくん!」
一つ、引っかかる部分がある。
「なに?」
「シュンくんも、あたしみたいな……有名な家系なの?」
シュンくんが教室に来てあたしを呼んだ時、ザッと道が開いた。
まるで朝のあたしの状況と同じ。
……それってつまり、そういうことなんじゃない?
「『見える』家系はこの辺じゃ有名なんだよ」
シュンくんは、笑ってるけど、目が笑っていなかった。