いけない恋
結局、隣で寝ている圭が気になって十分に寝られなかった。
今日も一日中歩くから、疲れをためたくなかったのに…。
俺は体を起こし、圭を起こさないようにしてホテルの大浴場へと向かった。
さすがに誰もいなくて、ちょっと嬉しくなった。
体を軽く流し、お湯に浸かった。
思えばこんなに何も考えなくてもいい瞬間が久しぶりだ。
最近はいつも圭のことばかり考えていたからなぁ…。
浸かりながらボーっとしていたら、誰かの足音が聞こえてきた。









(同じ高校のやつか…)










『やっぱりここにいた!』










(けっ、圭!?)










『一言ぐらい声かけてくれよ!』

『ごめん。ごめん。気持ちよさそうに寝てたから。』

この大浴場には2人しかない。
また変な妄想が膨らむ…俺はなんて醜いんだ…。
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