いけない恋
「初めまして、雄一です」


「あらー、雄一くん? 大きくなったのね〜!」

 俺は襖をそっと開けてその雄一という人を見た。
身長は180以上あるだろう。
季節柄合っているのはいいが、あまりにも露出の多すぎるように俺がずっと思っていたタンクトップを着用している。
二の腕も太く、胸板が厚い。

「お久しぶりです。俺も今年でもう20歳で」


「まぁ〜成人したのね。早いものね」


「はい。毎日水泳三昧ですけどね」

 なるほど? 水泳をやってるわけね。
そりゃあガタイも良くなるでしょうに。
 俺はそんなふうにそのときはどうでもよいという感じで雄一兄ちゃんを見ていた。
こんなことを言っちゃ悪いけど、俺の中のイメージではスポーツをやっている人というのはどうも粗野な感じがするので正直苦手だった。
でも、雄一兄ちゃんは礼儀正しく、タンクトップを着ていてもなんとなく清楚な感じがする人だった。
 位置的に雄一兄ちゃんの顔が見えにくい。
 もうちょっと見やすい位置に移動しようと襖に体重をかけたら、なんと俺の45キロ程度の体重に耐え切れず、倒れ掛かってしまったのだ。

「うあっ!」

 倒れた襖は母親目掛けて倒れていった。

「危ない!」

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