ひとりじゃない
期待
「桃子~、もう時間よ~!」
「もう行く~。」
今日は待ちに待った高校の入学式。
都内でも結構有名な共学の高校。
偏差値はそこそこ良い感じで、あたしは学校の雰囲気も良さそうだったので即受験を決めた。
そして、見事合格。
今日を楽しみにしていた。
あたしは可愛くもないし、頭もよくないし、スタイルだってよくない。
典型的な女の子、とでも言おうか、本当に普通の子だった。
積極的じゃないから、友達がちゃんと出来るか分からない。
それが少し不安だった。
でも、友達が出来るかもしれないという期待も胸に、学校までの道のりを歩いた。