白と黒の意味

 そう言ってしまうと、だんだんと鳥海くんとの楽しかった日々が頭をよぎって、悲しくなってくる。

 もう、ああいうことはできないんだって。

 鳥海くんがわたしと仲良くしてくれたのは、松本先生に頼まれたからだって言ってた。

 そうじゃなきゃ、仲良くしないって、言ってた。

 先生の頼みを乗り越えるほどの、鳥海くんの内側の人間にはなれなかったんだ。

 

 視界が滲む。

 先生だって、我慢しているのに。

 自分の気持ちを抑えているのに。

 わたしは、だめだ。

 我慢できない。

 先生を困らせてばかりだ。


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