白と黒の意味


「だいじょうぶよ」


 先生はそう言うと、ぽんっと、わたしの頭の上にそっと手を置いてくれた。

 
「凪子ちゃんと私の仲だから、
 いいことおしえてあげる」

「言いこと・・・?」


 そして、手を動かして、ちいさい子がいいことをしたときのように、なでてくれた。先生の手のあたたかさが伝わってきた。


 わたしって、子どもだ。

 先生だってだれかにこうしてほしいはずなのに、わたしにしてくれる。

 励ましてくれる。

 これが、おとな。

 わたしも、もうちょっとおとなになったら、先生のきもちがわかるのかな。



 「あのね、」



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