白と黒の意味
 彼女とのつながりは、それ一回きりだった。

 彼女に子どもができたと知ったから。



 ……どう考えても、俺の子じゃない。



 あらゆる本を見て、調べた。でも、俺の子なんかじゃなかった。

 途方にくれながら、ある日の放課後、本を返却しに行った。

 すると、返却カウンターに、寝ている女がいた。

 春菜が、前に話していた女だと、俺にはすぐにわかった。理屈じゃない。ただ、直感的に、コイツだ、と思った。




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