白と黒の意味
「俺、お前を信じてみようと思う。……俺を、捨てないってやつ」
一瞬、なに言っているのかわからず、考えを巡らすが、それを見抜いたのか、鳥海くんはあとに言葉を続けてくれた。
「本当は、お前の気持ちには答えられない、と言おうと思ってここに来たんだ」
鳥海くんはわたしの両手を、鳥海くんの両手で包むように重ねられる。そして隣り合っていた体を、向き合うように誘導される。
「だけど、さっきの言葉に、落ちた」
さっき、鳥海くんが赤くなった言葉だろうか、と考える。
だんだんと朱色にそまっていく鳥海くんの頬を見て、ああ、それなんだと確信が持ててくる。