白と黒の意味
「俺は司書教諭として、
お前らに本を読んでほしくてだな…、
読みやすい本を、と……」
そんな言い訳がましいことを俺は言うが、高校生だって、もうおとなだ。
俺の慌てぶりをみて、これが苦しい言い訳だということはわかっているはずだ。
「そんなこと言ったってむだですよ!先生!」
予想通り。
彼や彼女らは、俺のことを信じていないようだ。
おとなしくなるばかりか、さらに火がついたようにはしゃぎだす。
それをかわいい奴らだなぁとか思ってしまう俺は、この職業がほんとうに好きなんだなぁとこころの底から感じてしまう。