白と黒の意味


「なぎこ、僕とふつうに話してくれるようになった」


 そして、不必要に胸がどきどきする。
 
緊張?

 いや、違う。

 緊張なんかじゃない。

 顔が、紅潮しているから。



「すごく、うれしいな。
 でも、僕はなぎこに、」



 彼は立ち上がる。

 そしてそのままわたしのところへやってきて、

 ベンチに座るわたしの顔の高さになるように、

 膝をまげて、屈む。




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