白と黒の意味

「そっか…ちがうんだ……」


 鳥海くんはなんだかがっかりしているようだ。

 笑顔のままだが、すこし曇ってしまったような気がする。

 わたしは答えをおろそかにしてしまったことが原因かと、焦り、聞かれてもいないことを言ってしまう。



「わたしは小説家になりたくて、
 文学の勉強がしたいって
 思ったんだ……無理そうだけど」

「むりじゃないよ!
 なぎこならだいじょうぶ!」


 きらきらと、まぶしい笑顔が見える。

 曇ったと思ったのは勘違いだったのかな。

 そう、思わせる笑顔だった。


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