白と黒の意味
清々しい風が、わたしの思考回路を冷静にしてくれる。あれから何日かたったものの、いろいろ整理することができていない。
だから、ゆっくりと、落ち着いて、考えてみる。
わたしが鳥海くんに好きだといってしまった、あの日。
鳥海くんが引き止める声を背中で受け止めながら、屋上を後にしたその足で、わたしは図書室へ向かった。
走って図書室を飛び出した彼を追いかけることに必死で、荷物を持ってこなかったから。このままでは帰れない。
それにわたしは図書委員だ。仕事がある。
それらがわたしの足を図書室へと向かわせていた。