ただスキ。って言いたくて
そして今日もまたちいさな紙切れを渡そうとキミを待つ。

キミが通る桜の木の横で。

やっと来た。

今日こそ、と思っていたボクには長すぎる時間だった。

その緊張を解いてくれたのはキミの桜になびく髪とボクの大好きな横顔。

そしてついにキミの前に立ってしまった。

もうひきかえしたりしない。

震える手を必死に隠しながらキミにあの紙切れを渡した。

ありがとう。ってキミが笑ってくれた。

やっぱりスキだって思った。

返事なんてどうでもよかった。

キミにあの紙切れを渡せるだけでよかった。
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