~秘密のフィアンセ☆続編~ 極道の世界たち
「アゲハの事?」
「うん。仲間割れって、他人事じゃねぇよなと思って・・・」
「もしかして、佑斗や竜二たちも、そうなるかもって事?」
佑斗が、あまりにもしみじみと言うから、少し心配になってきた。
そうよね。
ここは、奇麗事ばかりが通用する世界じゃない。
「全くそうならないって、保証はないからなぁ・・・」
そんなの嫌だな・・・。
私は、竜二やジンも大好きなのに。
「そういえば、洸輝、来なかったね」
いつもなら、集まりには必ず顔を出すのに。
美紅からも、洸輝の話しが出なかった事に気付いた。
「ああ・・・そうだな。あいつ、来なかったな」
佑斗は、タバコの火を消すと、立ち上がった。
「部屋、入ろうぜ。初夏って言っても、夜は肌寒いから」
「うん・・・」
何だろう・・・。
何だか嫌な予感。
佑斗の様子が、そういう気持ちにさせるのかな・・・。