~秘密のフィアンセ☆続編~ 極道の世界たち
フルスモークの真っ黒な車の助手席から、晴彦が慌てて降りてくる。
「良かった~。若姐さん、何にもなかったんですね」
ホッとした様子の晴彦とは対象的に、佑斗は怖い顔つきのまま、後部座席のドアを開けた。
そして、ほとんど力任せに、私を押し込める。
「あっ!」
弾みでシートに転がってしまった。
いたた…。
バンッと、思い切りドアを閉められ、佑斗はすぐさま運転席に乗った。
「お前さ、何で嘘ついたの?」
びくびくしながら、助手席に乗る晴彦が、ゆっくりとドアを閉めた。