偽物かっぷる
悲しいよ
わたしがいつも見ているのは仁哉くんだったから
すぐに分かったんだよ。
何かあるって。
きっと
その“何か”は交換ノートの中にあるんじゃないかと思った。
いつもは
楽しみで楽しみで笑顔ですぐに開く交換ノート。
でも今日は違う。
不安で不安でしかたがなくって
今すぐに“何か”を知りたいのに
なかなか開くことのできない交換ノート。
でも見なきゃ
前へ進めないんだ。
ゆっくりと開いた交換ノートには
“急にごめん。でも俺には無理だと思う。友達として仲良くしよう。交換ノートは続けるつもりだし、いっぱいしゃべるから。ごめんなさい。”
こう書いてあった。
無理なんだね。
そっかぁ。
無理か…………
やっぱり
わたしと仁哉くんの気持ちは違ったんだ。
わたしはとんだ勘違いをしてたんだ。
今までの交換ノートの文字を見ながら
そう思った。