偽物かっぷる
悲しいよ

わたしがいつも見ているのは仁哉くんだったから
すぐに分かったんだよ。

何かあるって。

きっと
その“何か”は交換ノートの中にあるんじゃないかと思った。

いつもは
楽しみで楽しみで笑顔ですぐに開く交換ノート。

でも今日は違う。

不安で不安でしかたがなくって
今すぐに“何か”を知りたいのに
なかなか開くことのできない交換ノート。

でも見なきゃ
前へ進めないんだ。

ゆっくりと開いた交換ノートには
“急にごめん。でも俺には無理だと思う。友達として仲良くしよう。交換ノートは続けるつもりだし、いっぱいしゃべるから。ごめんなさい。”
こう書いてあった。

無理なんだね。

そっかぁ。

無理か…………

やっぱり
わたしと仁哉くんの気持ちは違ったんだ。

わたしはとんだ勘違いをしてたんだ。

今までの交換ノートの文字を見ながら
そう思った。


< 18 / 26 >

この作品をシェア

pagetop