続・らっく!!【完結】
『着替えなさい。』
おじいさんは私をある一室に連れてきた
部屋には綺麗な洋服とジュエリー、靴などが用意されていた
「おじいさん…一体何を…?」
不信を感じずにはいられなかった
おじいさんがただ私に着せるためだけに用意したとは思えない…
『今から両家の顔合わせだ。粗相のないようにしなさい。』
「顔…合わせ…?」
私…知らない…聞いてない…!!
『紘一は婚約は中止だとふざけたことを言っておったが、わしはそのつもりはない。早く支度をするんじゃな。』
おじいさんは相変わらず不機嫌そうだった
「あ…待って下さいっ!!」
私は部屋から出ていこうとするおじいさんを引き止めた
今…言わなきゃ…多分、ずっと言えないことになる…
私は胸の前でぎゅっと拳を握りしめた
「私…今、お付き合いしている人がいます!!だから…婚約は出来ません!!」
勇気を振り絞ってそう言った
お願い…ひとかけらでもいい…私の気持ち、伝わって…
祈るような想いでおじいさんの顔色をうかがった
やがておじいさんはゆっくりと口を開いた…