続・らっく!!【完結】



「…おじいさん?」


変なこと聞いた…?


『…確かに写真に写っているのはわしの妻だ。18年前に死んだがな…。』



おじいさんは急に寂しそうな表情になった



もしかして…



「おばあさんの名前って芳枝さんですか…?」



『なぜお前が知っている…?』



おじいさんは目を見張った



「覚えてないんですか?寝ぼけて私のことを“芳枝”って呼んだんですよ?」



『そうか…』



おじいさんはそう呟くと私に背を向け、布団にもぐり込んだ






おじいさんは…


本当は寂しいのかな…?



広い家にたった1人…


病気になっても誰も側にいない…



こんなんじゃ多少、話し方がひねくれるのもわかるような気がする…



「おじいさん!!」



私は一際大声で叫んだ



「明日もまた来ますね!!」



私は微笑んだ



案外おじいさんは私と同じ、寂しがり屋なのかもしれない






< 138 / 246 >

この作品をシェア

pagetop