続・らっく!!【完結】
『お久しぶりです。』
恭也さんは私に微笑みかけた
「あ…どうも…」
恭也さんがいるってことは…
『座りなさい。今、婚約発表の打ち合わせをしていたところだ。』
やっぱりそうだ…
「おじいさん…」
心の距離が近づいていたと思ってたのは私だけ…?
『早くしなさい。』
おじいさんは扉の傍で固まっていた私を急かした
「嫌ですっ…私は絶対婚約なんてしないっ!!」
私はつい衝動的に叫ぶとおじいさんの部屋から逃げ出した
心のどこかで期待してたんだ…
おじいさんと仲良くなれば…
婚約は嫌だっていう私の意思も受け入れてくれるんじゃないかって…
汚い…
おじいさんに話したことは綺麗ごとだ
私も結局、下心があったんだ
恭也さんが現れたことでおじいさんにそのことが見透かされていたような気がした
だから逃げ出した…