続・らっく!!【完結】
『美弦さん…』
廊下の壁に寄りかかってしゃがみこんでいた私を見つけてくれたのは
愁じゃなくて…
恭也さんだった
『会長が怒っていましたよ?いきなり飛び出して行きましたからね。』
恭也さんは私が立ち上がるのに手を貸してくれた
「ごめんなさい…私…恭也さんにひどいこと…」
婚約は嫌だって叫んじゃった…
『構いませんよ。逆に本音が聞けてよかったくらいです。』
恭也さんは気にしてないというように笑った
大人だな…恭也さんは大人だ
私みたいにただ嫌だ嫌だと言うだけじゃない…
自分が子供だってことを見せつけられる…
『美弦さん、今から食事に行きませんか?あなたには恋人がいることも分かっていますが、僕もチャンスが欲しい…』
そう言われたら断れない…
「はい…」
私は小さく返事をした
『少し待ってて下さい。会長に挨拶してきますから。』
恭也さんは私を残しおじいさんのところに向かった―…