続・らっく!!【完結】
恭也さんは大して気にせずに今度は両手で私の顔を包んだ
『美弦さん、あんまり僕を怒らせない方がいいですよ?
そうでないとあなたの大好きな彼に何かしてしまうかもしれませんよ?』
鼻と鼻がぶつかりそうなくらいの至近距離でそう言われ私の表情は否応がなしに硬くなる
「んっ!!」
恭也さんはそのまま顔を近づけると私にキスをしてきた
しかも舌を絡める深いキス
愁っ…
目を瞑ってひたすら愁の顔を思い浮かべる
拷問のような時間は思いのほか、短かった
唇が離れ目を開けると満足げに口の端を上げる恭也さんがいた
『婚約発表が終わるまではここで生活してもらいます。足りないものは後で言ってください。それと…』
恭也さんは私の左手をとった
「やだっ!!だめっ!!」
『この指輪は預かっておきます。』
私の抵抗も空しく指輪は抜き取られてしまった
恭也さんはそれをポケットに入れると部屋から出て行った