続・らっく!!【完結】
俺達にはこの間のわだかまりなんてないに等しい
そんなものお互いを見た瞬間にどこかへ消えてしまった
ただ…好きだって思っていれば充分だった
目を瞑ってひたすら美弦の手の温もりを感じる…
優しく…暖かい…
どこかホッとする温度
しばらくそうしているとあることに気がついた
「美弦…指輪は…?」
俺は閉じていた目を開け、美弦に尋ねた
左手の中指にはあるはずの冷たい感触がない…
まさか…捨てたとか…?
『ごめ…っ…んなさい…恭也さんにっ…とられ…ちゃったっ…』
美弦は顔を歪ませ、必死になって謝り始める
よかった…美弦が自分ではずしたわけじゃないんだな…
「怒ってないよ…?」
痛々しい様子が堪らなく愛しくて、俺は美弦を慰めるように頭を撫でた
『でもっ…!!』
まだ食い下がって謝ろうとする美弦の言葉を遮る
「俺のがあるだろ?」
俺は首からチェーンを外した
そしてお揃いのシルバーリングを手の平の上にのせた