続・らっく!!【完結】
顔を上げると少し困ったあなたの表情
いつの間にか辺りは真っ暗になっていて月が顔を出していた
愁は私の両手をとって立ち上がらせた
『何してんの?紘一さんから出入り禁止にされてるだろ?ばれたら…』
『愁…っ!!』
私は愁が言い終わらないうちに抱きついた
『美弦…?』
戸惑う愁をよそに私は更に腕に力を込めた
「しゅうっ…わたしっ…いやっ…もうやだよおっ!!」
私は愁の胸に顔を押しつけワンワン泣き出した
「ずっとっ…ック…一緒だってっ…ヒック…」
もう我慢できなかった…
愁の顔をみたら何かもが吹っ飛んだ
高梨美弦はどっかいっちゃった
私は…佐崎美弦は…
婚約なんてしたくない
愁を愛してるから―…
「愁っ!!」
愁は何も言わずただ抱きしめてくれた―…
私にはこの腕しかないの…
愁…
お願い…
何があっても離れていかないで―…