続・らっく!!【完結】
『美弦…どうした…?』
部屋の中に場所を移しても私が泣き止むことはなかった
ポロポロと涙が溢れるそのたびに愁が指で拭ってくれた
愁は私を脚の間に座らせ、気持ちが落ち着くのをひたすら待ってくれた
「私っ…婚約させられちゃうっ…おじいさんがっ…もう決まったって…っ」
愁は目を見開いた
『嘘だろ…?』
私は首を横に振り愁の胸に再びすがりついた
「私っ…どうしたらいいっ…?嫌だよっ…愁以外の人なんてっ…」
愁のシャツには私の涙の染みができ始めた
愁じゃないとだめなの…
そばにいたいのも
そばにいてあげたいのも
私の涙を拭うのも
甘えるのも
キスをするのも
抱きしめるのも
たったひとり
愁だけ…