続・らっく!!【完結】
「婚約は…したくない…です。」
この言葉を発するのに相当の勇気が必要だった
婚約を拒否するってことはおじいさんに刃向かうってことだ
愁は私の肩をそっと抱き寄せた
紘一さんは…
笑っていた
『よくできました。今日は美弦の気持ちが聞きたくて呼んだんだ。』
紘一さんはがらっと変わって今度は真面目な顔になった
『婚約はさせない…。会長の決定だかなんだか知らないけど、美弦の父親は俺だ。最善を尽くすよ。』
『俺も…出来るだけ協力する。美弦はひとりじゃないよ…?』
私はふたりの言葉に胸が一杯になった―…
ホントはすごく怖かったの…
自分ひとりで抱え込むには重すぎて…
倒れてしまいそうだったの―…
味方がいる
それがこんなにも嬉しい…
「ありがとう…紘一さん…愁…」
ふたりとも満足そうに笑っていた―…