初恋。


「ごめんね…びっくりしたよね…冷たかったよね…」

あたしは女の子の頭の雪をゆっくり優しくはらいながら謝った

「ううん。でもびっくりしてみかんばらまいちゃった。あはは冷凍みかんだぁ♪」

と女の子は笑いながらあたしに言った


か…かわいい…

「そっか」
あたしもその女の子にとびきりの笑顔を見せ立ち上がった


さっきの男にも謝るのと助けてくれたお礼を言わなきゃと後ろを向いたら

さっきの男の子はあたしの仕事だったはずの雪かきをしていた

しかもあたしが処理に困っていた雪山がきれいさっぱりなくなっていた

どこへやったんだろう…


「あ…あの…さっきはごめんね…幽霊なんかと間違えて…あ、あと転ばないように助けてくれて…ありがとう」


あたしは作業中の男の子の背中に話しかけた

言い終わる頃には男の子はあたしの顔を見ていたからとりあえず笑ってみた

「別に-。大声はさすがに困ったけどな」

あたしにそう答える男の子は
にこっと
笑ってくれた

その瞬間
あたしの何かが崩れ去った
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