CHIHIRO
といあえず出よう、そう言って千尋さんが連れてきてくれたのは千尋さんの1人暮らしのマンションだった。
「シャワーは?」
ううん、と首を横に振る。
僕はソファーに座らされて、ミルクティーを貰った。
ありがと、と言って一口飲む。
甘くてあたたかくて、千尋さんみたい…
なんて言ったら、千尋さんは怒るかな?
「落ち着いた?」
千尋さんは僕の隣にコーヒーを持って座った。
「うん。」
「そっか、」
千尋さんは、何も言ってこなかった。
きっと僕から話してくれるのを待っててくれてるんだろう…
「こんな時ばっかり、ごめん。」
「は?」
……怒ってる、と思った。
でも違った。
「そんな事気にしてんの?」
僕は一回だけ頷いた。
「悪いと思ってるなら。一つだけ約束して?」