CHIHIRO
「は、恥ずかしい…っ」
初めて、ドキドキするキスをした。
「うん、それも“すき”だよ」
千尋さん、千尋さん。
僕の中は、もう千尋さんでいっぱいだよ。
「これからは、色んな所に行こうね。俺が叶えてあげるから。」
優しい千尋さん。
僕は、貴方がすきなんだ。
「それと。今日は帰らないで?」
千尋さんが、上目づかいで言った。
反則だよ、それ。
だって、すっごく可愛い…
「顔、そんな腫れたの、帰ってからじゃん。」
そうだけど…
でも、帰らないと。
だけど、帰りたくない。
「帰らなきゃ…」
また殴られる。怖いんだ。