CHIHIRO



僕は「おまかせで」と言った。

僕の背中が隠れるくらいまであった髪は、胸までにカットされて、僕に似つかわしくない上品な赤茶色に染まった。
仕上げに、と髪をコテでくるくる巻いて貰った。


続けてお姉さんは僕にメイクを施してくれた。

マスカラで伸びたまつ毛にキラキラ光るシャドウ。
はっきりした眉に整えられた肌。


鏡に映る僕は、僕じゃないみたいだ。


「すっごく可愛いですよぅ!当店のホームページ用に、お写真撮らせていただいてもよろしいですか?」

僕が2枚ほど写真を撮ってもらってすぐ、千尋さんが戻ってきた。


「…可愛い…。…あっ!これ。これに着替えて」

千尋さんは顔を真っ赤にして服屋の紙袋を僕に渡した。
そんなに照れたら、僕の方が恥ずかしい…


美容院のお姉さんがにっこり笑って、後ろで着替えるようにと案内してくれた。


「素敵な彼氏さんですね。お似合いですよぅ」


僕は恥ずかしくて、きっと顔が真っ赤だ。
確認しなくても分かる…


裏の方で服を脱いで紙袋を開いた。




白いワンピース…


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