CHIHIRO
子供みたいに大泣きしながら、僕は千尋さんにしがみついた。
「会いたかった、も…離れないで、も…ちーちゃんだから、も…全部言いたかった。でもちーちゃんがいっつも先に言っちゃうの…。だけどそれも嬉しいの…。同じ事を思ってるのか、嬉しいんだよ…?ねぇちーちゃん。」
千尋さん、ごめんなさい…
約束守れなくてごめんなさい…
「僕も、愛してる」
離れないでね。
よそ見もしないでね。
僕を離さないでね
「大丈夫、伝わってる。伝わってるから、同じ事を思えるんだよ、きっと。」
千尋さんはぐちゃぐちゃだった告白を理解してくれた。
約束守れなかったのに、怒らない。
「離れないで、離さないで、僕のちーちゃんで居て…。」
静かにうん、と返事をした千尋さんは、しがみついてる僕の手を解いて、かがんで優しいキスをしてくれた。