CHIHIRO
あぁ…
言葉なんて無くても、これだけで伝わる。
軽くて簡単な言葉なんかじゃ、伝えられるレベル、とっくに過ぎてた。
すき
だいすき
愛してる…
離れないで、
離さないで、
傍に居て
どこにも行かないで
私だけの貴方で居て…
これだけで全部伝わるんだね。
「あんまり泣くと、化粧が落ちるよ?」
「ん…」
ポケットの中からティッシュを出して、丁寧に目を抑えて涙を吸い取る。
「ほら、せっかく女の子だったのに」
千尋さんは僕をからかうようにして言った。