CHIHIRO
なんで僕より詳しいのかは分からないけど、千尋さんはマスカラやシャドウ、アイライナー、眉ペンなどを次々にカゴに入れていく。
僕が疎いだけってのもあるけど、千尋さんはたくさんある種類の中から迷わずに決めていった。
「って、これがゆーきっぽいって思ったの選んじゃったけど、何か気に入らない色とかある?」
千尋さんは、僕に似合いそうなのを選んでくれてたんだ…
嬉しいなぁ…
千尋さんの好みの女の子になりたいなぁ…
「ううん。無いよ、大丈夫。」
さっと買い物を済ませて、夜ごはんは焼肉に行った。
僕は肉ばかり食べてる千尋さんのお皿に焼いた野菜をのせる。
千尋さんは野菜ばかり食べてる僕のお皿に肉をのせる。
笑い合った。
お互い同じ事をおもってるんだね。
言葉に出来なかった事が、哀しかったけど今は違う。
言葉にしなくても伝わる事に感動してる。
千尋さんが居てくれて、本当に良かった。