CHIHIRO


なんで僕より詳しいのかは分からないけど、千尋さんはマスカラやシャドウ、アイライナー、眉ペンなどを次々にカゴに入れていく。

僕が疎いだけってのもあるけど、千尋さんはたくさんある種類の中から迷わずに決めていった。


「って、これがゆーきっぽいって思ったの選んじゃったけど、何か気に入らない色とかある?」


千尋さんは、僕に似合いそうなのを選んでくれてたんだ…
嬉しいなぁ…

千尋さんの好みの女の子になりたいなぁ…


「ううん。無いよ、大丈夫。」



さっと買い物を済ませて、夜ごはんは焼肉に行った。

僕は肉ばかり食べてる千尋さんのお皿に焼いた野菜をのせる。
千尋さんは野菜ばかり食べてる僕のお皿に肉をのせる。


笑い合った。

お互い同じ事をおもってるんだね。



言葉に出来なかった事が、哀しかったけど今は違う。

言葉にしなくても伝わる事に感動してる。



千尋さんが居てくれて、本当に良かった。



< 176 / 313 >

この作品をシェア

pagetop