CHIHIRO
夕飯を済ませて、家に帰った。
荷物がたくさんで運ぶのが大変だったから、僕は初めてエレベーターを使った。
「ふぅー疲れた。」
「僕、お風呂入れてくるね。」
ソファーにダイブした千尋さんをよそ目に、僕はお風呂を沸かしに行った。
と言ってもお湯の温度を設定してボタンを押すだけの作業で、後は機械がやってくれる。
千尋さんが倒れているソファーの前に座って、テレビを付けた。
「もーだめ。寝ちゃいそう…」
「だめだよ、お風呂入ってから寝て。」
子供の様に後ろから抱きついて甘えてくる千尋さん。
「んー…ゆーき、一緒に入ろ、」
「えっ?!」
「じゃなきゃ入んない!このまま寝ちゃうぞ。そしたら今日はベットで1人で寝なきゃいけないんだぞ。それでもいーのか?」
う…
それは嫌だ。
千尋さんと寝たい…かも。
いつまでも駄々をこねる子供化した千尋さんの可愛さに勝てず、結局一緒にお風呂に入った。
恥ずかしくて緊張して、疲れをとるどころじゃなかった。