CHIHIRO
僕にとってコンプレックスだった、“親”。
千尋さんはよくお父さんの話をしてくれてた。
本当に仲が良いmたいで、うらやましかった。
だからこそ、僕のせいで喧嘩してほしくない。
千尋さん…
あんな怒った顔、お父さんに見せないでよ。
お父さん、びっくりしてたよ?
お母さん、哀しそうな顔してたよ?
千尋さんが怒ったところ、きっと初めて見たんだね…?
お母さんなんて、今にも泣きそうな顔で…
席を立つ時、僕に小さく「ごめんね」って言ったんだよ…?
千尋さんの大好きな家族。
僕よりも大事にして?
僕はだいじょうぶ。
大事なもの、見つけてみせるよ?
そしたらいつか、千尋さんに見せに行くね。
これが僕のだいじなものなんだって自慢しにいくから。
はやく見つけるから。
その時まで、どうか、僕の事思い出さないで…
千尋さん…まだだいすきです