CHIHIRO


産まれてこなきゃよかった、なんて違う。

今まで関わってきた人に、「ありがとう」なんだ。


こんな僕を、手伝ってくれて…



僕は僕の為に生きてたくせに、人に頼ってばかりだ。

もうそんなのは辞めにする。


今度は自分の力で立って、歩けるようになってから…





その日まで、もし千尋さんが待っていてくれてるなら、その時は、


誰かの為に生きてる僕に、会ってほしいな。






「たいくつ。」



まずはどうすればいいのか。

分からないけど、とりあえず明後日。
そこから頑張ろう。




家のインターホンが鳴って、ふらふらと玄関まで行く。
外には父さんが立っていて、点滴を持ってきた。


「どうだ?暇してるんじゃないか?」


当たりだよ、父さん。
退屈すぎて、どうにかなりそうだよ。

考えたくない事まで考えてるんだ。




< 222 / 313 >

この作品をシェア

pagetop