CHIHIRO
産まれてこなきゃよかった、なんて違う。
今まで関わってきた人に、「ありがとう」なんだ。
こんな僕を、手伝ってくれて…
僕は僕の為に生きてたくせに、人に頼ってばかりだ。
もうそんなのは辞めにする。
今度は自分の力で立って、歩けるようになってから…
その日まで、もし千尋さんが待っていてくれてるなら、その時は、
誰かの為に生きてる僕に、会ってほしいな。
「たいくつ。」
まずはどうすればいいのか。
分からないけど、とりあえず明後日。
そこから頑張ろう。
家のインターホンが鳴って、ふらふらと玄関まで行く。
外には父さんが立っていて、点滴を持ってきた。
「どうだ?暇してるんじゃないか?」
当たりだよ、父さん。
退屈すぎて、どうにかなりそうだよ。
考えたくない事まで考えてるんだ。