CHIHIRO
謝りたい、千尋さんに。
頑張るって言ったくせに、僕は…
弱音、文句、愚痴…
最低だ……
そして百合子さんに、ありがとうって…
僕の母さん変りは百合子さんだった。
僕は百合子さんみたいになれる自信はないけど、お母さんの仕事が分かってきた気がする。
しばらく布団で自分を罵ったけど、やっぱり今すぐ伝えたくて…
僕は1階にある公衆電話まで行って、千尋さんに電話をかけた。
コールが続いて、ようやく千尋さんは電話に出てくれた。
『はい。』
「あ、ちーちゃん…僕。」
『あぁ、まだ起きてたのか?早く休めよ。』
なんで?
僕ひどい事したのに、こんな時まで心配してくれるの?
「うん、電話切ったらすぐ寝るから…聞いて欲しい事はあるの…」
千尋さんは低い声のまま、返事をくれた。