CHIHIRO
いつの間にか真っ暗だった外は明るくなってて、
その頃には僕の身体の力はすっかり抜けて、元気な産声が子守唄みたいに
「女の子ですよー」
早産だったし体重も2300gって少なめだったけど、元気に泣いていて生きてるんだなぁって感じた。
抱いてから少しして、寝てしまって。
命を産んだ、なんて大そうな事した実感はなかった。
やりきった。
それだけ。
でも、これからなんだよね…
僕はお母さんになったんだ。
お父さんは千尋さんなんだ。
家族が増えたんだ。
今まで、ごめんね。
お母さんとして、頑張るから…
自由にのびのびと生きてね。