CHIHIRO
結局、9時頃まで煙草と酒でやり過ごした。
ケータイがちかちかと光っていて目障りだが、無視した。
どうせ、客だと思う。
客に連絡を返さない事なんてしょっちゅうだし今日は相手にしない事にした。
今日、僕は僕をうんと休ませてやるんだ。
10時に薬局が開店することを知っていたから僕は風呂に入って出かける用意をしようと1階に下りた。
百合子さんは日曜だというのに、もう朝食の準備を済ませ、掃除をしていた。
真面目な百合子さんのおかげで家事をしない母さんが居ないこの家はいつもピカピカで、チリ1つ落ちて居ない清潔な場所だ。
百合子さんは僕に気付いて、「おはよう」とほほ笑んだ。
僕も「おはよう」と返す。