CHIHIRO
そしたら、貴方を見つけた。
「君みたいな子が?」
どうやら“探してた”の意味が分かっているらしい。
「どういう意味?」
僕みたいな奴が、あそこに居るのは不自然な事じゃない。
寧ろ僕には似つかわしい場所だと思う。
「君みたいな綺麗な子、あんな所に居たら危ないよ?」
危ない…?
あそこは僕にとって安全地帯だよ?
「じゃあ貴方は?なぜ僕なんかに声をかけたの?僕と貴方はとても不釣り合いだと思うけど…」
少し冷たく言った。
こんな短期間で、よくしてもらっているのに
僕はすごく非常識だと思われてもおかしくない事を言った。
でも彼はそんな事気にしてないように、
「僕“なんか”なんて言っちゃだめだよ」
僕なんか、その表現を間違えているつもりはない。
僕は親にさえ、名前を呼ばれた事が無い。