CHIHIRO
千尋さんはそう言うと、僕の返事を待たずに切ってしまった。
切ってほしく無かった。
なんでこんなに寂しいのか。
何にこんなに怯えてるのか、僕ですら分からないけど。
独りっていう事実が、今はたまらなくて…
でも、なんでか僕の涙は止まってて
怖いけど、寂しいけど、
どこかでホッとしてる自分が居る。
今、忙しいのかな?
悪い事、しちゃったな…
だけど、1分も経たずに電話は折り返しかかってきた。
『ごめんね?大丈夫?』
「ん…。落ち着いた。」
千尋さんは、慌てているみたいだ。
『よかった…家ってどこかな?いまから行く。』
千尋さんは僕が考えてる事、分かるのかな…?
独りが嫌って、寂しいって。