CHIHIRO
『俺から、困った時に連絡して、って言ったのに、それは無いよ。図々しくて構わない。だから、何でも言ってきてよ。』
「そういうわけにもいかない。こんな事、言った事ないけど。僕、なんか…。千尋さんには嫌われたくないんだ。だから僕の事、嫌って思わないで欲しい。」
これは本心。
低かった体温が、顔だけ熱くなったのを枕から感じた。
きっと今、僕は顔が赤い。
こんな事、他人に思った事無いし、言った事もない。
咄嗟に言っちゃったけど、自分の気持ちを言葉にするのって、有機が要るんだ…
『…うん。ならない。嬉しいよ。』
「………。」
恥ずかしくて、それ以上何も言えなかった。
『やっぱ、言い方変える!!』
「え?」
千尋さんはいきなり、少し大きい声で言った。
『行くよじゃなくて、行ってもいい?ていうか、行かせて?逢いたいんだ…』
顔がまた、熱くなるのを感じた。