終業チャイム
これは、どういう状況なのだろう。
なぜあたしは夏休みに学校に来てまで教師とアイスを食べているんだ。
気まずい沈黙が流れる。
由希子からの連絡は、未だになし。
これからどうしよう。
「…山口さぁ、」
メロンバーを食べ終わった谷田が口を開いた。
自分の苗字を呼ばれただけなのに、心臓が激しく跳ねた。
「いくら平均点が低かったからって、あの点数はないと思うんだけどな、」
多分、歴史の期末テストのことだ。
あたしとしては補習セーフの平均点をギリギリ越えただけでかなりの優越感があったのだが、1教師が1生徒としての点数で見たとしたら完全アウトの点数だったとは思う。
「はぁ……め、面目ないです…。」
なんだか緊張してしまって喋り方が固くなってる。
また前みたいに、頭の中で由希子が言っていた言葉がリピートされ、気を紛らわすため無断欠席した由希子への怒りでかき消した。