終業チャイム


「奈緒ー!また同じクラスだねぇ!」


2年3組の教室に着いたあたしを出迎えたのは、中学の頃から友達の由希子だった。

非常に人懐っこい彼女は、いつもニコニコしながらあたしのところに来る。


かく言うあたしも、特別に仲良い友達は彼女ぐらいだったので、同じクラスであったことを心から喜んだ。



「そうだね、これで修学旅行も寂しくないね」


「せっかくの修学旅行がひとりじゃイヤだもんねー」



まぁ由希子の場合、たとえあたしとクラスが違っても、持ち前の人懐っこさですぐに友達をつくって楽しい修学旅行を過ごせそうだが。

あたしと違い、友達づくりはとても上手だし。


そう思ったが言わないでおいた。




新しいクラスによる興奮で騒がしい教室に、扉が開く音が響いた。


新しく担任になる先生が教室に入ってきた。

騒いでいた生徒たちは途端に自分の席に座る。



体育を担当している吉田という男の先生は簡単に自己紹介を始めた。



非常に退屈で、3階の教室の窓から外を眺めた。


桜が綺麗で、しばらく見惚れていた。


ふと気付いた時には、机の上に2年生の教材がどっさりと積み上げられていて、その教材の多さから今後の勉強の量を考えると気が遠くなった。

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