終業チャイム
「ただ、教師との恋に憧れてただけなんじゃないか、って…」
今の俺には、ナイフより痛い言葉。
「昔も無愛想だったけど、ちゃんと愛してくれてたのに…」
“そんな程度の気持ちでは、告白なんてできないと思います。”
ざけんな。この期に及んで。
「ま、俺だって“生徒とのスリリングな恋”なんてのに憧れて付き合ったのかもな」
「なっ……!」
「おい、お前の言ったことそっくりそのまま返しただけでその反応はねーだろ」
妻がギリリ、と唇を噛んだ。
涙を必死で堪えている。