終業チャイム
他の教師とはどこか違う授業や生徒への対応、
もちろんそれはあたしだけが思ったのではなく、みんなも気が付いているから、谷田は男女問わず人気があるのだろうけれど。
「谷田ってカッコいいよねー、授業もわかりやすいし話はおもしろいし。ほかのクラスからも人気だよ。」
「確かに、高校で誰にも嫌われない男の先生って珍しいよね。」
「谷田が副担って、ちょっとだけ誇らしいね!」
由希子とそんな他愛のない話をした。
普通、高校教師と言えば、誰かしら反感を持ち嫌われて当然という認識があった。
あたし自身、高校生になって好きな先生ができるとは思ってもみなかった。
あたしは歴史の授業中に睡眠学習を行わないことにした。
なんとなく、谷田の授業から目が離せなかったからだ。