終業チャイム
学校祭は、夏休みが明けてすぐに行われる。
なので夏休み前にはある程度の作業を終えて、有意義な夏休みを過ごしたいものだがそう簡単にはいかない。
あたし達の担当は、クラスで催すかき氷屋の飾り付けだ。
夏休み前の残り少ない登校日で、学校祭に向けての看板やポスター作りなど、膨大な作業量はさすがに消化できそうになかった。
「補習も追試もなくて良かったー。谷田の補習だったらやりたいところだけど。」
由希子は少しだけミーハーなところがある。
「じゃあ歴史だけ補習になる程度に点数落とせば良かったしょ。」
「それも一瞬考えたけどねー、歴史の補習担当は谷田じゃないらしいから。」
ふーん、と流しながら黙々と作業を続けた。
流されたのが少し不満だったのか、由希子は拗ねたような声を出して言った。
「奈緒は興味ないー?谷田に。」
「んー?興味はあるよ。やっぱ他の先生と違うところあるし。」
「だよねー!谷田もなんとなく奈緒のこと気にしてる感じだもんね!」
は?